行動医学研究
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原著
場面ごとの怒りの調査票の開発と精神・身体健康との関係
藤井 義久
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2001 年 7 巻 2 号 p. 97-103

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抄録
本研究の目的は、場面ごとの怒りを測定し、怒りと健康との関係を分析することであった。被験者は、191名の大学生 (男子61名、女子130名) である。
まず、「大学生版怒り尺度」の50項目が、怒り場面に関する自由記述調査によって収集された。本調査では、「大学生版怒り尺度」と「CMI健康調査票」が授業時間中に実施された。そして、項目分析によって削除されなかった35項目について因子分析を行ったところ、「大学生版怒り尺度」は、5つの因子 (友人関係、自己不満、他者不満、学校生活、親子関係) で構成されていた。このようにして、場面ごとの怒りを測定するために、「大学生版怒り尺度 (35項目)」が作成された。
次に、怒りと健康との関連性を分析するために、怒り得点とCMI得点との相関係数が算出された。その結果、怒り得点は、特に精神的自覚症状 (怒り、不安、不適応) と関連の強いことがわかった。さらに、分散分析の結果、神経症傾向が強い者ほど、怒り得点が高かった。
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© 2001 日本行動医学会
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