行動療法研究
Online ISSN : 2424-2594
Print ISSN : 0910-6529
とけあい脱感作法による不安や恐怖反応の改善 : 不安神経症の事例と転換反応の事例を通して(事例研究)
今野 義孝
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 24 巻 1 号 p. 15-25

詳細
抄録
本研究では,「とけあい脱感作法」によって短期間に症状が改善した2事例について報告した。事例1は中学時代からあがりと手の震えを訴えていた23歳の不安神経症の女子学生,事例2は2週間前から失声症を呈した19歳の転換反応の女子学生である。事例1は,「とけあい脱感作法」によって発表に対する予期不安が改善するにつれて,課題達成後の不全感が「完壁への欲求」によるものであることに気づくようになった。さらに,課題達成後の不全感に対して「とけあい脱感作法」を試みたところ,クライエントは「完壁への欲求」から解放され,あがりや震えも改善した。事例2では,「とけあい脱感作法」によって悪夢への予期不安やポケベルへの恐怖が改善した。それにともなって,症状の背後に「過剰な自責感」があることに気づき,不安への現実的な対処が可能になり,失声症も改善した。
著者関連情報
© 1998 一般社団法人 日本認知・行動療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top