抄録
本研究では、15歳の発達障害児に対して、実際の店舗におけるレジ並び行動が可能となるための形成技法について検討を行った。ここではレジに並ぶ行動を、(1)列の最後尾に位置する行動、(2)前の客がつめた後に自分もつめる行動、(3)自分の番になってはじめて支払いを開始する行動という3つの標的下位項目から構成した。訓練室ではシミュレーション訓練を行い、実際の店舗では般化の測定を行った。訓練前の対象児は、いわゆる「割り込み」など不適切な行動を頻繁に行っていたが、訓練によりスーパーマーケット、およびコンビニエンスストアのレジに適切に並ぶことが可能となった。本研究の結果から、様々な列のパターンを訓練することにより、特にコンビニエンスストアなど、比較的流動的に形成される列においても、適切に並ぶことが可能になったと考えられた。