1歳6か月児健診を利用して、その母親182名に養育行動に関する質問票調査を行い、育児ストレスと養育スキルや認知との関係を検討した。その結果、大多数の母親は育児に疲れて戸惑いつつも、相談相手や支援者がいて、育児を楽しみ前向きにとらえるなど健全な養育行動をとっていることがわかった。しかし、児の困った行動への対処法やストレス対処のスキルが乏しかったり、否定的な認知を示したり、夫との交流が乏しいなどが10〜20%あり、これらは養育の高危険群であることが示唆された。抑うつ、イライラ、健康上の悩みの育児ストレス反応は、排泄やかんしゃく等、子どもの行動で養育上困っていることの数、不適応的なストレス解消法、育児についての否定的な感想などと相関していたことから、この時期に養育スキルとストレス対処に関する親訓練を行うことは育児支援として有望であると結論した。