抄録
本研究の目的は、Children's Self-Statement Scale(CSSS)を作成し、その信頼性と妥当性を検討するとともに、児童における自己陳述と不安症状との関連を検討することであった。研究1では、小学生217名を対象に予備調査を行い、項目を抽出した。そして、小学生693名を対象とした因子分析の結果、CSSSは「ポジティブ自己陳述」「ネガティブ自己陳述」という2つの因子があることが示され、信頼性と妥当性が確認された。研究IIでは、小学生546名を対象に、 CSSSとスペンス児童用不安尺度(SCAS)による調査を実施した。その結果、SCASのすべての下位尺度において、「ネガティブ自己陳述」が強く影響していることがわかった。また、SOM得点によりポジティブに偏った認知の群は、 SCASの得点が低いことが示された。