2007 年 33 巻 1 号 p. 1-12
本研究の目的は、社会不安障害(SAD)を対象として、安全確保行動のひとつである「恐怖場面内での回避行動」を測定する尺度(Avoidance Behavior In-Situation Scale:ABIS)を作成することであった。健常大学生121名とSAD患者10名を対象に、不安喚起場面とその場面内で用いる「恐怖場面内での回避行動」について自由記述による回答を求め、項目を作成した。次に、健常大学生470名とSAD患者46名を対象に自己記入式によるABI尺度を実施した。探索的因子分析を行った結果、2因子28項目が抽出され、十分な信頼性を有していた(α=.90)。妥当性は、内容妥当性と基準関連妥当性の観点から確認された。以上の結果から、ABISは高い信頼1生と妥当性を有することが明らかにされた。