行動療法研究
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ABA基礎知識理解到達度テスト(TK-ABA)の作成と妥当性の検討(資料)
谷 晋二大尾 弥生
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2011 年 37 巻 3 号 p. 171-182

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抄録

ABA知識理解到達度テスト(TestofKnowledgeofAppliedBehaviorAnalysis;以下TK-ABA)を、行動論的知識を測るためのテストとして開発した。TK-ABAは行動の原理や強化、プロンプトなどの行動論的知識を問う41問の選択式テストである。行動論的知識の学習経験のない未学習群、学生群、専門家群に対してTK-ABAを実施した。すべての群間には有意な差がみられた(専門家群>学生群>未学習群)。行動論的知識の学習経験によって得点が増加すると考えられた。特別支援にかかわる教員と施設指導員17名に行動論的知識を学習する講義を実施し、実施前後のTK-ABAおよびKBPAC(Knowledge of Behavioral Principles as Applied to Children;以下KBPAC)の得点の変化を比較した。講義後に両テストともに得点が有意に増加した。TK-ABAの18の質問に対する解答が講義後に有意に変化し、KBPACの五つの質問に対する解答が変化した。これらの結果から、研修による行動論的知識の変化を測定するテストとしてTK-ABAはKBPACよりも敏感なテストであると考えられた。

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© 2011 一般社団法人 日本認知・行動療法学会
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