抄録
この研究の最初の目的は,オペラント条件づけ手続きを適用することによって自閉症と診断された幼児が言葉を獲得することを示すことにある。第2の目的は,賞賛語および承認語,あるいは身体接触刺激が2次性強化子として作用することを示すことにある。第3の目的は,フリーオペラント事態で課題と一致した言葉を発するかどうかを検討することにある。症例は6歳4ヵ月の男子で,彼は対人行動や遊具での遊びを殆んど示さないが,少々の言葉はあった。結果は次のようであった。1)彼はだっこを要求するような行動を言語化するようになった。2)賞賛語や承認語は2次強化子にはならなかったが,だっことか頭なでのような身体接触刺激は,強化子として顕著な有効性を示した。3)彼は課題と一致した言葉を発語しなかったが,静止的な課題より運動性の課題の方がより多い発語頻度を示した。自閉症児におけるオペラント条件づけ手続きでの強化子は今後とも論議されるであろう。