ネガティブな反すうは抑うつを悪化させることが実験的、横断的、縦断的にこれまで見いだされている。先行研究において、反すうはストレッサーの生成を促し、さらにストレッサーは反すうを強めることが示唆されている。本研究では、反すうとストレッサーの関連性が及ぼす抑うつへの影響を検討するために、2回にわたる縦断的調査を行った。111名の成人対象(平均年齢44.30±11.34歳)がT1調査で反すうと抑うつを、その7カ月後に反すう、抑うつ、ストレッサーを測定した。共分散構造分析の結果、T1反すうは直接的にT2抑うつに影響を及ぼしておらず、7カ月間で経験されたストレッサーが抑うつに及ぼす反すうの影響を完全に媒介していた。加えて、T1時点での反すうと抑うつはT1-T2間のストレッサーの生成を促し、それがT2時点における反すうや抑うつを悪化させることも示された。