行動療法研究
Online ISSN : 2424-2594
Print ISSN : 0910-6529
コミュニティを対象とした反すうとストレッサーの相互関係が及ぼす抑うつへの縦断的影響
村山 恭朗岡安 孝弘
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2014 年 40 巻 1 号 p. 13-22

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抄録

ネガティブな反すうは抑うつを悪化させることが実験的、横断的、縦断的にこれまで見いだされている。先行研究において、反すうはストレッサーの生成を促し、さらにストレッサーは反すうを強めることが示唆されている。本研究では、反すうとストレッサーの関連性が及ぼす抑うつへの影響を検討するために、2回にわたる縦断的調査を行った。111名の成人対象(平均年齢44.30±11.34歳)がT1調査で反すうと抑うつを、その7カ月後に反すう、抑うつ、ストレッサーを測定した。共分散構造分析の結果、T1反すうは直接的にT2抑うつに影響を及ぼしておらず、7カ月間で経験されたストレッサーが抑うつに及ぼす反すうの影響を完全に媒介していた。加えて、T1時点での反すうと抑うつはT1-T2間のストレッサーの生成を促し、それがT2時点における反すうや抑うつを悪化させることも示された。

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© 2014 一般社団法人 日本認知・行動療法学会
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