行動療法研究
Online ISSN : 2424-2594
Print ISSN : 0910-6529
Community Reinforcement and Family Trainingの効果 : メタ分析を用いた検討(<特集>CRAFT)
野中 俊介境 泉洋
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 41 巻 3 号 p. 179-191

詳細
抄録

本研究の目的は、物質乱用者やひきこもり状態にある人のconcerned significant others(CSO)を対象としたCommunity Reinforcement and Family Training(CRAFT)による効果をメタ分析によって検討することであった。物質乱用者のCSOを対象とした8本の効果研究および、ひきこもり状態にある人のCSOを対象とした2本の効果研究を用いて、CRAFTによる効果を検討した結果、受療に至った割合は物質乱用ケースで64.9%、ひきこもりケースでは30.8%であった。ただし、ひきこもりケースでは、社会参加に至ったケースを含めた割合は61.5%であった。さらに、CSOの心理的機能の改善、関係性の改善のいずれにおいても、物質乱用ケース、ひきこもりケースともに一定の有効性が示された。これらの結果を踏まえ、CRAFTによる効果と今後の研究に関する課題について考察が加えられた。

著者関連情報
© 2015 一般社団法人 日本認知・行動療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top