抄録
この論文の中で,日常生活場面における個体行動を理解するために"オペラントライフ"という考えを著者は提唱している。"オペラントライフ"の見地から,東京の高尾山動植物センターのニホンザルの野外動物園の中へオペラント箱を設置した。最初に実験者は群れの詳しい観察をし,群れの社会的特徴と全ての個体名を学習した。その後実験が行なわれた。オペラント箱は反応キイとして外側の壁にレバーとパネルが附属している。キイへの反応として,感性・食物強化子が用いられた。観察者は,誰がレバーに反応するか,何回反応するかを記録する。結果は,群れの社会的要因がニホンザルのオペラント行動に影響を与えることを示した。