順天堂医学
Online ISSN : 2188-2134
Print ISSN : 0022-6769
ISSN-L : 0022-6769
特集 癌性疼痛管理
ペインクリニックにおける癌性疼痛管理
野田 久代
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 38 巻 1 号 p. 21-29

詳細
抄録

ペインクリニックでは, 癌性疼痛に対して薬物療法から外科的手技を要する療法まで, 多種多様の除痛法を用いてその管理を行っている. その中心となる手段はやはり神経ブロックであるが, その中でも癌性疼痛管理に用いられる代表的なものは, 硬膜外ブロック (含む鎮痛薬注入) ・腹腔神経叢ブロック・くも膜下フェノールブロック・三叉神経ブロックである. 硬膜外ブロックは, とにかく痛みを止めるという目的では癌性疼痛の第一選択と云えるし, 痛みに対する根治的手段のない患者では, 死亡までの間, 最も重要な疼痛管理法となる. 腹腔神経叢ブロック・くも膜下フェノールブロック・三叉神経ブロックは, 痛みの診断を正確に行い, 確実な手技で施行すれば癌が治ることはないが, その痛みに対しては根治的である. 順天堂大学附属医院麻酔科外来 (ペインクリニック) では, 年間ほぼ100例の癌性疼痛患者の治療を行っているが, 全患者の90%以上が前述の手段の組合せによって管理されている.

著者関連情報
© 1992 順天堂医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top