文化人類学
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特集 「狭間に生きる」——現代日本を民族誌する上での困難と可能性
魚と人のあいだ
水族館とマルチスピーシーズ民族誌から「狭間」を見つめる
高橋 五月
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2024 年 88 巻 4 号 p. 732-750

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抄録

日本の水族館におけるマルチサイテッドな民族誌的調査をもとに、本論文は絡み合うふたつの目的をもつ。ひとつは、近年国内外で研究が盛んなマルチスピーシーズ民族誌を援用しながら現代日本における水族館を「狭間」の観点から分析し、狭間に生きることの困難さと可能性の両方を論じることである。具体的には、現代日本の水族館で乗り越えようとしながらも再生産される人間中心主義的および西洋中心主義的な関係を明らかにしつつ、人間と非人間、および日本と西洋の狭間において乗り越えることを目的としない「共に生きる」あり方の可能性を考察する。もうひとつの目的は、マルチスピーシーズ民族誌を「狭間」の人類学と捉えることである。本論文は現代日本の水族館の事例をもとに、人間中心的や西洋中心的な関係について批判的な姿勢を保持しながら、「どうにか共に生きる」という観点を今後の理論展開の重要な視座として提示する。また、本論文はマルチスピーシーズ人類学における英語圏と日本語圏の狭間についても言及し、日本におけるマルチスピーシーズ人類学をそうした狭間で実践する困難と可能性についても検討する。

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2024 日本文化人類学会
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