文化人類学
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特集 先住民と博物館—協働による脱植民地化
マオリと博物館のパートナーシップ
脱植民地化を目指すニュージーランドの先住民と博物館
土井 冬樹
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2024 年 89 巻 1 号 p. 072-090

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抄録

本稿では、ニュージーランドの先住民マオリと博物館の関係の歴史的な変遷を追いかけながら、マオリに望まれる先住民と博物館の協働のあり方について議論する。博物館が植民地主義的な施設であること/あったことは周知のことであるが、近年、脱植民地化した博物館や、先住民と協働する博物館の実践が注目を集めている。ただ、さまざまな博物館で異なる実践がなされており、博物館による望ましい協働とは何かについての議論もある。望ましい協働の模索のために、博物館の実践を比較するという試みも展開されているが、本稿では、望まれる協働のあり方はそれぞれの先住民コミュニティによってさまざまであるとする立場をとる。なぜなら、脱植民地化のための方法論を探る議論においては、方法論(methodologies)と複数形で表現されており、博物館における脱植民地化のあり方もさまざまであると考えられるからである。この立場を採用した上で、本稿では、マオリの脱植民地化の議論に基づきながら、ニュージーランドにおける先住民と博物館の協働のあり方を検討した。そして、展示や知識の復興といった特定の協働の実践だけではなく、マオリと博物館とのパートナーシップ、すなわち恒久的にコミュニティに資することと文化的財産に対する多様な権利を保証することを念頭においた長期的な関係が重視されていることを明らかにした。

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2024 日本文化人類学会
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