2024 年 3 巻 p. 69-76
【目的】地域在住ロバスト高齢者における新型コロナウイルス流行下での運動実施に関連する要因を,行政で活用している基本チェックリスト(以下,KCL)下位項目に着目して検討すること.【方法】和歌山県紀の川市在住の要介護認定を受けていない高齢者を対象に,2018年と2020年にKCLを用いた郵送調査を実施し,追跡調査ではKCLに加え自宅等での運動実施について聴取した.両調査とも回答が得られた者からベースライン時にプレフレイル・フレイルの者を除外した3,698名を分析対象とし,運動実施と非実施に群分けた.【結果】運動非実施群は704名(19.0%)であった.コロナ禍の運動非実施には,ベースライン時での抑うつが有意に関連した(オッズ比 1.52,95%信頼区間 1.14-2.01,p<0.01).【結論】フレイル判定は健常(ロバスト)であっても抑うつ項目に該当するものは,コロナ禍において運動が定着しにくい可能性がある.