抄録
新潟県における1984~86年の突然死に関する死亡小票調査及び1988~89年の新規発生調査より突然死に占める虚血性心疾患の割合について検討した。突然死は原死因発生から24時間以内の死亡とした。原死因を急性心筋梗塞 (AMI), 他の心血管系疾患 (OCD), 脳血管障害, 非循環器系疾患と分類し, 前2者を心臓性突然死 (CSD) とした。このAMIによる死亡を虚血1, これにOCD中の虚血性心疾患の既往を持つ例を加えた群を虚血2, 0CD例から虚血性心疾患以外の既往疾患を持つ例を除いた症例にAMI例を加えた群を虚血3とした。CSDに対する割合は虚血1, 2, 3の順に死亡小票調査で24.8%, 32.4%, 95.0%, 新規発生調査では20.1%, 34.5%, 80.0%であった。現状において, CSDの診断として循環器医のそれが最も信頼てきるとすれはCSDにおける虚血性心疾患の割合は34.5~80.0%の間であり, これを死亡小票調査に当てはめると全突然死の23.6~54.7%の間と推定された。