和歌山県の南端の串本町大島で血圧およびその関連因子の20年間の変化およびその関連を調査した。20年の経過で収縮期血圧, 拡張期血圧, 総コレステロール値, 血糖値は上昇傾向を示したが, 体重, 血清クレアチニン値は変化しなかった。正常血圧者の55.1%が境界域高血圧あるいは高血圧の領域となった。収縮期血圧値には年齢, 体重, 血糖値が有意な説明変数であり, 収縮期血圧の上昇には血清クレアチニンおよびその増加が有意な説明変数であった。拡張期血圧については体重, 弱いながら総コレステロールが有意な説明変数となり, 拡張期血圧の上昇には血清クレアチニンおよびその増加が有意な因子であった。女性における血圧の上昇には総コレステロールの上昇が有意な因子であったが、男性ではその関与は低かった。