日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳腺過誤腫に発生した紡錘細胞癌の1例
林 直樹吉中 平次野元 優貴江口 裕可末吉 和宣新田 吉陽大塚 隆生
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2022 年 83 巻 3 号 p. 479-484

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抄録

乳腺の紡錘細胞癌は全乳癌の0.1~0.2%と稀で,化学療法抵抗性や早期遠隔再発などで予後不良とする報告が多い.取扱い規約は比較的予後の良い線維腫症様化生癌も含めているが,WHO分類は両者を区別している.乳腺過誤腫は「breast in breast」と称され,乳腺良性腫瘍の5%未満の稀な腫瘍である.過誤腫に発生した乳癌の報告は24例と少なく,組織型は乳管癌16(浸潤13,非浸潤3),小葉癌6(浸潤4,非浸潤2),両者の併存1で,特殊型は粘液癌の1例のみであった.

今回著者らは,過誤腫内乳癌の25例目で組織型では初めての紡錘細胞癌の症例を経験した.症例は85歳の女性で,左乳房腫瘤を主訴に受診した.画像上,腫瘤は二重構造を示し,脂肪濃度で高エコーの8cm大の境界明瞭な腫瘤内に軟部濃度で低エコーの4.5cm大の不整な腫瘤が存在した.低エコー部分からの針生検は紡錘細胞癌の診断であった.乳房部分切除を行い,最終病理診断は「乳腺過誤腫内に発生した紡錘細胞癌,pT2NxM0:Stage II A,ER(-),PgR(-),HER2/neu(-),Ki-67 LI=17%」であった.

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© 2022 日本臨床外科学会
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