日本循環器病予防学会誌
Online ISSN : 2759-5323
Print ISSN : 1346-6267
人間ドックにおける大動脈脈波伝播速度におよぼす冠危険因子との関連について
大月 和宣
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2002 年 37 巻 3 号 p. 186-189

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抄録
【目的】人間ドック受診者の大動脈脈波伝播速度と危険因子について検討した。【対象と方法】高血圧、糖尿病、高脂血症にて現在薬物治療をうけていない135名に対して大動脈脈波伝播速度 (brachial-ankle Pulse Wave Velocity : baPWV) と各種検査値との相関、冠危険因子数別による比較および影響因子について検討した。統計はSpearmanの相関係数、Kruskal-Wallis検定、stepwise重回帰分析を用いた。【結果】1. baPWVは、年齢、収縮期血圧、拡張期血圧、血糖値、HbAlcと正の相関を示し、BMI、総コレステロールおよび中性脂肪とは相関がみられなかった。2.危険因子数が多い項目ほどbaPWVは有意に高値であった。3.年齢、拡張期血圧、危険因子数が有意な項目として選択され、重回帰関数はbaPWV=544+8.5 (年齢) +4.5 (拡張期血圧) +25.9 (危険因子数) (R2=0.34) であった。【考察】一次予防の観点からbaPWVを指標として、冠危険因子の該当する項目の多いハイリスク者ほど重点的に介入することが重要と考えられた。
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© 社団法人 日本循環器管理研究協議会
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