Skin Cancer
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一般演題
Gluteal fold VY advancement flapに基づく再建を行った外陰癌の1症例
小川 晴生野村 正寺師 浩人時吉 貴宏岩山 隆憲田原 真也
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2010 年 25 巻 2 号 p. 195-199

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抄録
外陰癌切除後再建の問題点は,分泌物による創部汚染や,リンパ漏が生じやすいこと,術後の排泄,整容に支障を来さない再建を行うことである。Yii & Niranjan,Hashimotoらが報告したGluteal fold flapは鼠径郭清に影響されない安定した血流をもち,広範囲の外陰部欠損再建が可能である。また,術後の整容も再建部,皮弁採取部ともに優れた結果を残し,最も好まれる再建方法の一つと考えられる。
 我々は,外陰癌症例に対し,病変の拡大切除に加えて,Subtotal integumentectomyに準じて腫瘍と鼠径リンパ節を一塊にして摘出した。大腿部の皮膚血流を考慮し,Leeらの報告したGluteal fold VY advancement flapを用いて外陰部再建を行った。それにより,鼠径郭清後の大腿創部も良好な治癒が得られたと考えている。また,尿線の乱れをわずかに認めるが,外陰部は良好に再建されている。
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© 2010 日本皮膚悪性腫瘍学会
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