現在,インドは高度経済成長を続けているが,依然として雇用問題が深刻である.本論文は,こうした問題を考えるために,1979年から2003年のインド主要15州のパネルデータを用いて製造業部門における労働需要関数を推計した。分析結果から,解雇規制緩和とグローバリゼーションは,第 1 に,直接的に雇用を増加させる効果を持つ可能性があるが,この効果はモデルの定式化によっては確認できない場合もあること,第 2 に,賃金の変動に対して雇用がより敏感に調整されるという効果を持つ一方で,生産の変化に対しては雇用の反応がより緩慢化するという効果を持つことがわかった。