油価は,米国のシェールオイル増産による石油の供給過剰,量的緩和の終了を受け,2014年夏から下落を開始した.サウジアラビアは油価下落を放置し,米国のシェールオイルの減産を期待したが,シェール事業の効率化の進展により減産は僅かで,油価は30ドル近くまで下落した.2016年2月に一部産油国の間で,増産凍結で合意した.市場は200万バレル/日供給過剰だが,石油需要は毎年120万バレル/日の水準で増加しており,増産凍結なら2年弱で需給がバランスするとの考えで他の産油国も支持したが,サウジアラビアはイランの例外扱いを認めず反対した.これにより,OPECの機能不全が目立つようになった.