2015 年 53 巻 4 号 p. 455-461
少子化の現代には子どもの相対的価値が高まり,多くの保護者は質の高い歯科治療を求めており,小児中心の歯科医院の潜在的需要は多いと推測される。小児歯科専門医は保護者の要望に応えられる知識と技能を兼ね備えた存在として広く社会に認知されるべき存在であるが,現実には「子どもの歯科治療は小児歯科専門医が行う事が望ましい」ということが国民のコンセンサスには成り得ていない。小児歯科医療制度の充実のために必要な方策を考えるために,現在小児歯科専門医に通院している患者の保護者にアンケートを実施して,専門医に対する意識を調査し,以下の結論を得た。
1 .回答者全体の83%が,我が子を小児の「専門医」に診てもらいたいと回答した。
2 .現在受診している歯科医師が小児歯科専門医であることの認識率は60%であった。
3 .当該医院の受診理由として「小児歯科専門医だから」を選んだ方は34%であった。
4 .専門医と標榜医の違いを理解しているとの回答は7.5%に留まった。
5 .本結果は,専門医に診てもらいたいとの希望は多いが,「小児歯科専門医」の価値,魅力が患者側に明確には認知されていないことを示唆した。
6 .今後,小児歯科専門医の存在とその価値をアピールするとともに,その付加価値を拡大する研究,情報共有による小児歯科専門医全体の底上げを通して,専門医に掛かれば質の高い医療を受けられることが 国民のコンセンサスとなるように努力する必要がある。