比較経済研究
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特集:『一帯一路』はユーラシアをどう変えたのかⅡ
一帯一路とグローバル・サプライチェーンの現状と展望
―一帯一路はユーラシアの国際物流をどのように変えたか―
福山 秀夫
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2025 年 62 巻 2 号 p. 2_1-2_13

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抄録

2020~2024年までの5年間,コロナ禍,ウクライナ危機,紅海リスクと想定外の事態が発生し,国際物流は混乱,グローバル・サプライチェーンの途絶が起こり,東アジアの国際物流ネットワークが大きく変容した.本稿では一帯一路がユーラシアの国際物流をどのように変えたのかという視点から,一帯一路とグローバル・サプライチェーンの現状と展望を述べる.まず,一帯一路の意味を国際物流の視点から明確にし,構想の概要を一帯と一路について明確にした.次に,一帯一路の淵源がコンテナリゼーションにあり,海運と鉄道のコンテナ輸送が一帯一路の土台であり,それがユーラシア国際物流をどのように変えたかを中欧班列,西部陸海新通道等の事例により明確にした.最後に,一帯一路が,将来に渡り様々なグローバル・サプライチェーンを構築し,海のシルクロードと陸のシルクロードの組み合わせによるサービスと持続可能なネットワークを形成するという展望を述べた.

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