抄録
保育者・教師養成課程の学生のピアノ練習方法の開発をテーマに,学生のピアノ練習に対する態度や練習の様態などの調査と分析を行った。受講生へのアンケートから,ピアノ初級者はピアノ苦手意識が強く,読譜で苦労し,指手が動きにくいが,学生生活の中ではピアノの練習の優先順位が高く,弾けたときの達成感もピアノ経験者に比して高いことがわかった。練習への態度や練習方法を尋ねた自由記述式の回答では,初級者の特徴として,具体的な練習方略の持ち合わせが少ない一方,上級者は練習のターゲットを把握していて重点的な練習を行っているなどの違いが見られた。今後,特に初級者に向けた具体的な練習方略が必要となるであろう。