本研究では,介護職員のストレス要因として先行研究から①睡眠衛生,②時間的負担,③対人関係,④認知症の人の行動・心理症状,の4点を抽出し,それぞれに対応したプログラムを開発し効果を検証することを目的とした。ストレスマネジメントに関する書籍や論文を参考にすると共に,介護や心理の専門職から意見を求めプログラムを開発した。効果検証の対象は近畿圏内にある11の高齢者施設に勤める介護職49名 (介入群25名,統制群24名)であった。グループ (介入群・統制群)×時期 (ベースライン,介入直後,フォローアップ)の2要因分散分析を行ったところ,主効果と交互作用は有意ではなかった。ストレスマネジメントの効果については,適切なサンプルサイズの確保に加え,介入期間やアウトカムの測定方法などを踏まえた上でのさらなる研究の必要性が示唆された。