在宅薬学
Online ISSN : 2434-5288
Print ISSN : 2188-658X
原著
がん医療・緩和ケアの多職種協働実践を担う人材育成に期待される学生教育のあり方
〜在宅医療・福祉コンソーシアム長崎での調査結果による考察〜
手嶋 無限竹嶋 順平西田 考洋坂本 仁美吉原 律子松本 幸子岩下 淳二榊原 隆三松坂 誠應星野 由雅中嶋 幹郎
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 10 巻 1 号 p. 25-40

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抄録

要旨:多職種協働によるがん医療・緩和ケアを担う専門人材育成に向けた学生教育を提供する上での課題についてアンケート調査を実施し,回答結果をもとに集計・解析した.回答は大学教員101名,医療専門職139名,介護専門職14名,福祉専門職20名,行政関係者48名および介護支援専門員27名の計349名から得られた.多職種協働チームの一員としての「役割」および「チームプレー」の自己評価スコアについて,介護福祉士は有意に高く,歯科医師は低い傾向が確認された.多職種協働の実践ができる人材育成において,大学教員には「教育力」,医療・介護・福祉専門職には「現場力」,行政関係者には「調整力」,情報通信技術分野には「連携力」が学生教育の観点から期待されていた.これから先の取組では,「大学外の地域での参加型学習の機会を増やすこと」が最も多く求められていた.がん医療・緩和ケアを担う専門人材育成は,大学・行政および医療・介護・福祉専門職などの多職種・多分野での連携教育が必要であることが示唆された.

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© 2023 一般社団法人日本在宅薬学会

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