コミュニケーション障害学
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障害児をもつ祖父母の障害受容と両親の受容との関連
野尻 恵美子
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 31 巻 2 号 p. 72-79

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抄録
本研究の目的は,障害児をもつ祖父母の障害受容の程度や,障害に対する意識・理解が,どのように両親の受容と関連しているかを検討することである。障害児をもつ420 家族の祖父母および両親に質問紙調査を依頼した。119 名の祖母,56 名の祖父,209 名の母親,156 名の父親から回答を得た。その結果,現在の受容の程度については,祖母,祖父,母親,父親の家族間で相互に関連しあっている可能性が認められた。また祖父母が障害名を知ることが,母親の前向きさに関連し,重要な要因であることも明らかになった。そして祖母が,障害は孫が成長してもなくなることはなく,障害の原因を「仕方がなかった」と認識することも両親の受容に関連していた。さらに,祖父母および父親については,障害の種別と受容との関連は認められなかったが,母親については,ダウン症の母親が発達障害児や身体障害児をもつ母親に比べて受容が進んでいるという結果であった。
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© 2014 日本コミュニケーション障害学会
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