抄録
現在,小児領域の言語聴覚療法,特に言語発達遅滞児の訓練・指導においてもっとも頻繁に使用されるS-S 法(国リハ式言語発達遅滞検査および包括訓練プログラム)についてその概要,背景理論,妥当性について報告する。S-S 法は目標準拠型の指導を前提とした評価であり,評価結果を日常のコミュニケーション場面に反映させることを前提として構成された実践的な指導の評価(検査−指導)枠組みとなっている。次いで,特にS-S 法の大きな特徴である,①前言語期の評価(アセスメントから指導)と支援法について,②記号形式−指示内容関係の段階4−2「3語連鎖」,統語のプロセスを含む段階5−1,段階5−2「統語方略語順・助詞」の段階の妥当性を検証する。