抄録
高磁場磁気共鳴装置による脳機能画像解析は,脳微細構造および機能を非侵襲的に可視化し,小児期発達障害への恩恵は大きい。先天性症候群をもつ当事者・保護者らとの20 年弱にわたる共同研究により,行動発達特性と関連した脳の特徴がみえてきた。プラダー・ウィリ症候群では,大脳,小脳,下垂体等において,脳体積や脳組織を反映する指標,大脳皮質間の機能的結合が,定型発達者と比較して異なることが検出された。過食,知能,不適応行動等との相関も認められ,コミュニケーション機能領域の困難にも寄与しうる可能性が示唆された。一方で,撮像は狭い空間での静止を求められるが,事前の系統的プレパレーションを独自に構築することで,子どもでも無鎮静で楽しく参加できることを経験した。さらなる臨床応用と適切な運用には,子どもの代弁者たる臨床スタッフと,それに寄り添ってくれる理工系研究者らによる,領域横断型のエキスパートチームが必須である。