抄録
本稿では吃音のある人への支援として自助グループの効果に関して,先行研究を概観し,セルフヘルプ的支援の考察を行った。比較対象のある研究においては,ほとんどが米国で実施されたものであるが,吃音の心理的影響や信念,セルフスティグマ,全般的な自尊心や生活満足度などの心理的側面に関して質問紙による群比較研究が多く行われていた。比較対象のない研究では,質問紙や面接法により,吃音当事者同士の交流,それに伴う安心できる環境,自己認知の変容とその交流後の持続性など,共通するテーマが見出されていた。近年の吃音のセルフヘルプの動向として,オンラインによるコミュニティや活動,吃音のある子どもや親を対象とした活動が広がっていることは注目すべきであろう。セルフヘルプには吃音のセラピーとの相互補完的な機能もあるため,専門家からの適切な情報提供が求められる。