聴能言語学研究
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〈自閉症児のことばの問題〉自閉症児の言語治療計画と展望
角張 憲正
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1993 年 10 巻 1 号 p. 35-39

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抄録

自閉症児は,話しことばをもっていなかったり,エコラリアをもっているという特徴がある.それゆえ,社会的相互交渉の場において,コミュニケーションの道具としてことばを使うことに,限界がみられる.
応用行動分析では,自発的かつ適切な話しことばの開発を試みてきた.その成果は著しいものがあり,ことばを教えることの困難性を減少させる手続きをも,提示してきた.しかし,限られた訓練場面で学習したことばは,日常生活場面で必ずしも有効ではなかったきらいがある.近年になって,注目されているのは,現実の生活場面で実際に必要な機能的なことばを教える方法である.自閉児個人の行動の文脈にそった,言語を含む治療計画が要求されている.

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© 日本コミュニケーション障害学会
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