学習障害はそのタイプによって,さまざまな言語の問題を示す.
学習障害児にみられる言語の問題として,(1)言語発達の遅れ,(2)言葉の意味的側面の学習困難,(3)音韻認知の発達の遅れをあげた.(1)は知的発達が良好でありながら,言語発達のみ遅れ,言語治療の分野で言語発達遅滞とよばれる子供たちにみられる問題である.(2)は近年学習障害に含めて考える動向にある知的発達の良好な広汎性発達障害児にみられる問題である.(3)は学習障害の中核をなす読み書き障害児にみられる問題である.学習障害児の言語の問題に対する指導の方法論は,子供がもつstrengthでweaknessを補いつつ,目標の学習を達成させることであることを述べた.