聴能言語学研究
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染色体疾患とコミュニケーション
中井 博史
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1997 年 14 巻 3 号 p. 162-167

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抄録
染色体疾患は新生児の約0.5%といわれ,日本全国で,年間約6,000人が出生する.発育に支障をきたしたケースのリハビリテーションに係わる方に新しい概念を解説し,コミュニケーションの取り方・指導法について述べた.染色体全長にヒトでは10万種類ともいわれる遺伝子群が並んでいる.従来の染色体数,構造上の変化とモザイク例に加え,微細染色体欠損症,隣接遺伝子症候群,遺伝子刷り込みに関わる疾患,三塩基くりかえし配列の増幅による疾患群があげられる.次に,ダウン症児の小児科乳児教室について述べた.ダウン症乳児と家族に対し,1年間,障害の理解と受容のため通院いただき,多職種で指導を行っている.毎月1回,1時間のうちにテーマごとの知識と,赤ちゃん体操にて筋力と活動性を高め自信と愛着をもって育児できるよう支援.利用者に喜ばれている.
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© 日本コミュニケーション障害学会
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