コミュニケーション障害学
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〈コミュニケーション障害への社会的支援:当事者,支援者とのネットワークづくり〉コミュニケーション・アシスト・ネットワーク
山本 正志
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2004 年 21 巻 2 号 p. 146-149

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抄録

言語聴覚士を中心とし,障害当事者や関連職種とともにコミュニケーション・アシスト・ネットワーク(以下CAN)という活動体を作った.CANの目的は言語や聴覚に障害がある人の基本的人権を擁護し,社会参加を支援することである.目的に賛同する人なら誰でも会員になれる.組織は特定非営利活動法人として登記し,活動の継続性を図った.活動としては関連職種への言語障害セミナーや,市民への人権擁護シンポジウム,調査研究,出版等を行っている.CANの活動を通して言語聴覚士の職能を再考すると,施設内での訓練とは別にもう1つの職能が浮かんでくる.すなわち社会に参加するにあたってのコミュニケーション介助であり,人権擁護である.言語障害の人は自分たちの意思を主張すること自体に不利があるので,必要な支援を組み立てる必要がある.それができるのは言語聴覚士であると考える.

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© 日本コミュニケーション障害学会
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