コミュニケーション障害学
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〈地域社会における言語聴覚士の新しい取り組み〉地域で訪問指導を中心とした言語療法を実践して
丸井 美恵子
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2005 年 22 巻 1 号 p. 31-36

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抄録
本稿は,8年8ヵ月にわたって訪問言語指導を中心に地域リハビリテーションを実践してきた報告である.訪問した言語障害者(157人)の言語障害の種類は多岐にわたっている.訪問は1回から数回の訪問も多いが,1/3は定期的に訪問する必要が認められた.また訪問継続年数も半年~1年が多かったが,3~5年と長期にわたる場合もあった.言語療法の内容は,鑑別・評価と本人および家族への指導は,すべての対象者に行っていたが,定期的訪問者の場合は,基本的な機能訓練のほかに,コミュニケーション指導,閉じこもりからの脱却や社会参加,生きがいの開発など多様なアプローチが必要とされた.地域では訪問指導のほかに,「言語リハビリ教室」や自主グループなど集団のアプローチや地域ケアスタッフとの連携も不可欠である.今後介護保険制度でマネージメントを担う支援センタースタッフおよび介護支援専門員への言語聴覚療法に対する啓蒙が求められる.
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© 日本コミュニケーション障害学会
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