コミュニケーション障害学
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〈子どものセラピィ〉自閉症療育の場から
小林 一恵
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2006 年 23 巻 1 号 p. 52-56

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抄録
自閉症は「人との相互干渉,コミュニケーション,想像力」の「3つ組」の障害である.支援に際しては《個々の子どものもつ自閉症特性への配慮》が望まれる.つまり《肯定的な表現を心がけること,適切な行動を示すこと,分かるように示すこと=視覚的に具体的に示すこと,興味と能力に合わせること》が重要である.このようにして子どもに合った適切な環境を用意し,音声言語にこだわらずに自発的コミュニケーションや自立的行動を育てることは,自閉症の子どもたちが不適応行動をおこさず,必要な援助(代替コミュニケーションやスケジュール,ソーシャルストーリーなど)を自ら積極的に利用する力を育み,自閉症としての自己を肯定的に受けいれることにつながるであろう.
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