犯罪心理学研究
Online ISSN : 2424-2128
Print ISSN : 0017-7547
ISSN-L : 0017-7547
原著
尺度間因子分析によるMJ式態度検査の解釈仮説
遠山 敏
著者情報
ジャーナル フリー

1975 年 11 巻 1 号 p. 29-40

詳細
抄録

(1)MJATの解釈法上の問題点があげられ,その解明のために,尺度間因子分析の意義が明らかにされた。

(2)MJATの各尺度にMJPIのEd, Li を加えて尺度間因子分析を行った結果,その尺度構造が明らかにされ,それぞれの因子の意味づけが行われた。

(3)井部の研究と本研究の異同を通じて因子の意味がより深く検討された。

(4)因子分析尺度で測定される態度の態度内構造に与える示唆が検討された。

(5)MJATにおける「社会的な望ましさ」への反応としての自己防衛の問題をとりあげ,第1因子(負極)のケース研究によってその典型例や自己防衛の少ない例などを検討し,それらが解釈法に与える示唆を検討した。

今後の問題としては各因子構成尺度によるプロフィール型と行動レべルとの関連をしらべることにより,因子の意味の実際的妥当性を検証することが必要と考えられる

著者関連情報
© 1975 日本犯罪心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top