1980 年 16 巻 1.2 号 p. 41-46
八王子医療刑務所における男子身体疾患者について3か月にわたって行ったGTにより次のような結果を得た。
(1) 当所のごとき特殊集団においてGTを行う場合収容者各人の治療条件,施設内における生活環境について配慮することが必要である。
(2) GTに参加しない,いわゆる背景集団についてのきめのこまかい考慮もGT成功のための重要なポイントになると思われる。
(3) Dグループに対するGTの成果の可否が再犯防止のための鍵になるのではないかと考えられる。
(4) 収容者の抵抗,不満などをいかに受けとめるかが,治療効果,教育効果に関与すると思われる。