1993 年 31 巻 2 号 p. 29-37
これまでさまざまな介入の研究を挙げてきたが,ここでもう一度まとめてみることにする.
(1) ここで検討した研究によると,個人的に介入処遇を行なうことは非行の予防には効果がないようである.
(2) ここで比較検討した家族への介入処遇についての研究間で,互いに矛盾する結果が出されている.しかし,家族全体に処遇し家庭内の相互関係パターンが改善されると,ある程度非行予防に効果がある可能性がある.
(3) 就学前の介入処遇は有効のようである.
(4) 学校への介入処遇では,研究結果に一致をみないが,教師だけでなく生徒にも介入処遇の影響を与えることができれば,ある程度有効と考えられる.
(5) コミュニティヘの介入処遇についてはまだ十分に研究されておらず,その効果の評価はできない.