犯罪心理学研究
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原著
再犯リスク要因に基づいた女子受刑者の類型化の試み
神藤 彩子門本 泉渡邉 則子田畑 賢太
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2018 年 56 巻 1 号 p. 13-28

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抄録

本研究の目的は,日本の女性犯罪者の再犯に係るリスク要因を同定し,それらのリスク要因を用いて女性犯罪者を分類することである。対象者は,全国の刑事施設を出所した女子受刑者1,154名であった。2年以内の再犯の有無に加えて,先行研究を参考にしながら,再犯を予測すると考えられる変数について調査した。生存分析(カプランマイヤー推定法)の結果,本件,犯罪歴,家族,学歴・仕事,精神科的問題における多くの変数で,群間に有意な差が認められた。これらの変数を用いたK-means法によって,3つのクラスターが抽出された。各群は,再犯率,犯罪傾向,家族や就労の状況,精神科的問題において有意に異なっており,このような各クラスターの特徴に基づく適切な処遇のあり方について考察した。

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© 2018 日本犯罪心理学会
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