犯罪心理学研究
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非行少年における自閉スペクトラム症傾向と攻撃性と粗暴行為との関連—アレキシサイミア傾向に着目して—
山脇 望美河野 荘子
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2020 年 57 巻 2 号 p. 19-31

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抄録

本研究の目的は,自閉スペクトラム症傾向を構成する特性のうち,アレキシサイミア傾向と関連するものが攻撃性を高めることにより粗暴行為を引き起こすという仮説を検討することであった。参加者は非行少年257名であり,自閉スペクトラム症傾向はAutism-Spectrum Quotient,攻撃性はBuss-Perry Aggression Questionnaire,アレキシサイミア傾向は青年期用アレキシサイミア尺度,粗暴行為は過去1ヶ月と過去1年間の粗暴行為の回数により測定された。分析の結果,アレキシサイミア傾向と関連する自閉スペクトラム症傾向の特性の一つであるコミュニケーションの乏しさは,攻撃性を高めることにより粗暴行為と関連した。また,アレキシサイミア傾向と関連する自閉スペクトラム症傾向の特性の一つである想像力の乏しさは,直接的に粗暴行為と関連した。したがって,本研究では,自閉スペクトラム症傾向を構成する一部の特性が攻撃性を高めることにより粗暴行為と関連することや,直接的に粗暴行為と関連することを示した。

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© 2020 日本犯罪心理学会
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