抄録
症例は68歳,男性で,平成15年7月,直腸癌の診断にて,低位前方切除術を受けた。術後補助化学療法を施行し,血液および画像検査による定期的経過観察を行っていた。画像上明らかな再発部位を同定できないまま,術後4カ月目から腫瘍マーカーの経時的変動に追従して化学療法をthird lineまで変更したが,いずれも効果は一時的であった。腫瘍マーカー値の上昇が加速し始めても再発巣は同定できず,両側肩甲骨転移が画像上でも病理組織学的にも確定した時には,既に両肩の疼痛・腫脹を認めていた。以後は病状が急速に悪化して,制癌加療を追加適応できないまま死に至った。
今回われわれは,直腸癌術後に両側同時の肩甲骨転移で再発した稀な症例を経験した。