日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
症例報告
腹壁に発生した筋脂肪腫の1例
西尾 乾司櫻井 丈牧角 良二三浦 和裕片桐 秀元諏訪 敏之榎本 武治小林 慎二郎月川 賢大坪 毅人
著者情報
キーワード: 筋脂肪腫
ジャーナル フリー

2008 年 33 巻 5 号 p. 805-808

詳細
抄録

 症例は70歳の女性。4カ月前に下腹部腫瘤を自覚し,近医を受診した。CT検査施行したところ下腹部正中腹壁に腫瘍を認めたため当院を紹介受診した。腹部造影CT検査と腹部MRI検査で膀胱前面の腹壁に脂肪成分を含んだ腫瘤を認めた。悪性腫瘍も否定できなかったため,腫瘍摘出術を施行した。病理所見で筋脂肪腫と診断した。術後経過は良好で術後第11病日に退院した。筋脂肪腫は再発や転移,腫瘍関連死亡例の報告はなく予後良好な腫瘍である。しかし術前の確定診断が困難なことが多く,脂肪成分を含む腫瘍を認めた場合,鑑別のひとつとして念頭に置く必要があると考えられた。

著者関連情報
© 2008 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top