日本外科系連合学会誌
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原著
C型肝炎関連肝細胞癌に対する系統的および非系統的肝切除の検討
海堀 昌樹松井 康輔石崎 守彦斎藤 隆道權 雅憲
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2009 年 34 巻 5 号 p. 743-751

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抄録

 [目的]C型肝炎(HCV)関連肝癌および非HCV(B型および非BC型肝炎)関連肝癌における系統的および非系統的肝切除(以下,部分切除)の予後について検討した.[対象と方法]非HCV関連肝癌143例(系統切除40例,部分切除103例),およびHCV関連肝癌326例(系統切除55例,部分切除271例)での両術式における術後生存率を比較検討した.[結果]非HCV関連肝癌では術後生存率において系統切除群が良好である傾向を示し,腫瘍径5cm以上,また術前PIVKA-II>100mAU/ml症例においては系統切除群が有意に良好であった.HCV関連肝癌は,術後生存率において両群で有意差は認めず,また生存率に対する多変量解析においても手術術式は予後因子とは成りえなかった.術前肝機能は部分切除群が有意に不良であったが,術後1年までの肝機能は部分切除群が良好であった.[考察]罹患肝炎ウイルスにより治療戦略を変える必要があり,非HCV関連肝癌では多発,大型肝癌やPIVKA-II高値症例に対しての系統切除が推奨される.HCV関連肝癌では術前後の肝予備能の低下と術後の高頻度の再発を考慮し,耐術的に系統的切除が不可能な症例に対しては,肝部分切除術も有用と考えられた.

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© 2009 日本外科系連合学会
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