日本外科系連合学会誌
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症例報告
胆嚢炎術後に中心静脈カテーテル感染から頸椎硬膜外膿瘍を発症した1例
鈴木 俊二
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2010 年 35 巻 2 号 p. 131-134

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抄録

 硬膜外膿瘍は比較的稀な疾患である.症例は66歳,男性.前医にて急性胆嚢炎を診断され,中心静脈栄養下に保存的治療施行された.症状軽快したのちに当院へ転院となり胆嚢摘出術を施行した.術後に発熱,右頸部の腫脹・疼痛,右上肢の知覚障害および筋力低下が出現した.脊椎MRIおよび頸部CT所見より頸椎硬膜外膿瘍を認め,膿瘍ドレナージを施行した.基礎疾患を有さない患者の消化器手術後に硬膜外膿瘍を発症することは極めて稀である.今回われわれは胆嚢摘出術後に中心静脈カテーテル感染が原因と思われる頸椎硬膜外膿瘍を発症した1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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© 2010 日本外科系連合学会
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