日本外科系連合学会誌
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症例報告
Paclitaxel, trastuzumab併用術前化学療法後に間質性肺炎をきたした乳癌の1例
大久保 文恵, 清水 忠夫, 平野 明, 上村 万里, 小倉 薫, 金 直美, 瀬戸口 優美香, 井上 寛章, 木下 淳, 小川 健治
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2011 年 36 巻 2 号 p. 141-146

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抄録
 症例は56歳,女性.左乳癌T4bN1M0,Stage IIIB(扁平上皮癌, ER陰性,PgR陰性,HER2:3+)の診断で,paclitaxel,trastuzumab併用術前化学療法を12コース施行しPRを得た.しかし,12コース投与後8日目に咳嗽,咽頭痛,38°Cの発熱が出現し,翌日には呼吸困難もみられたため緊急入院となった.SpO2 93%,両下肺野にfine crakleを聴取,胸部単純X線では両下肺野を中心にスリガラス状陰影を認めた.胸部CTでは両側肺野にスリガラス状陰影と一部に浸潤影も認め,KL-6は694U/mlと高値であった.以上の所見から間質性肺炎と診断,ステロイドパルス療法を施行した.開始当日より解熱とCRPの低下を認め,呼吸苦も著明に改善した.原因として薬剤性を疑い,paclitaxel,trastuzumabに対するリンパ球刺激試験を行ったが陰性であった.入院後23日目に乳房切除術,腋窩リンパ節郭清および分層植皮術を施行した.術後療法としてtrastuzumab を慎重に再投与した.間質性肺炎の再燃はなくpaclitaxelが原因薬剤と推察した.
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© 2011 日本外科系連合学会
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