日本外科系連合学会誌
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臨床経験
胃癌治癒切除後の腹部大動脈周囲リンパ節再発に対する外科切除の意義
山下 公太郎藤谷 和正平尾 素宏辻江 正徳安井 昌義池永 雅一宮本 敦史三嶋 秀行中森 正二辻仲 利政
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2011 年 36 巻 5 号 p. 764-769

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抄録
 切除不能・再発胃癌に対しては化学療法が標準治療とされているが,再発病変を制御できないことも多い.本稿では腹部大動脈周囲リンパ節再発に対する治療手段としての外科切除の意義を検討した.対象は1993~2009年の間に,初発胃癌治癒切除後の腹部大動脈周囲リンパ節再発に対して化学療法施行後に再手術を行った4例.全例とも再発病変は腹部大動脈周囲に限局しており,化学療法の効果は3例でstable disease(SD)もしくはpartial response(PR)と再発病変は制御されていた.初回手術後の無再発期間が5カ月と比較的短かった1例は再手術後5カ月で死亡したが,他の3例は初回手術後1年以上経過した後の再発例で,再手術後の平均生存期間は25.7カ月であった.初回手術から再発までの期間が1年以上あり,病変が限局して化学療法で制御され,治癒切除が可能と考えられる場合には,安全性を十分に考慮した上で外科切除を行うことも選択肢の一つと考える.
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© 2011 日本外科系連合学会
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