日本外科系連合学会誌
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特集
化学療法併用活性化自己リンパ球移入療法が有効であった再発消化器癌の3例
島川 武吉松 和彦大谷 泰介浅香 晋一久原 浩太郎横溝 肇塩澤 俊一勝部 隆男成高 義彦小川 健治
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2012 年 37 巻 1 号 p. 56-63

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抄録

当科では,活性化自己リンパ球移入療法をがんに対する免疫療法として導入してきた.しかし,単独では抗腫瘍効果を得ることは困難で,化学療法を併用する症例が多い.本稿では,この化学療法併用リンパ球療法が有効であった再発消化器癌の3例を報告する.症例1は44歳,女性.StageⅣ胃癌に対して胃全摘術を施行し,病理学組織学的にCY1であった.術後化学療法が有害事象により不可能で,リンパ球療法を開始した.4年半後に腹膜転移が出現し,低用量化学療法も併用した.その4年後,腹膜転移が増悪したため再手術を施行し,その後再び治療を継続して腹膜転移は制御されている.症例2は77歳,女性.StageⅢA胃癌に対して根治手術施行.リンパ節転移が出現したため化学療法併用リンパ球療法を施行し,リンパ節転移はCRとなっている.症例3は63歳,女性.大腸癌術後肝転移再発に対して化学療法併用リンパ球療法を施行し,肝転移について長期間CRが得られている.

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© 2012 日本外科系連合学会
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