日本外科系連合学会誌
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症例報告
S-1投与により術後8年の長期生存が得られている胃癌同時性Virchow転移の1例
西和田 敏渡辺 明彦向川 智英小林 真也高 済峯
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キーワード: 胃癌Virchow転移, 長期生存, S-1
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2012 年 37 巻 1 号 p. 64-69

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抄録

症例は74歳の女性で,貧血の精査のために施行した上部消化管内視鏡検査で幽門前庭部に全周性の3型胃癌を認め,当科を紹介受診した.初診時に約10mm大の左鎖骨上窩リンパ節を触知した.2003年7月に幽門側胃切除,D2郭清,左鎖骨上窩リンパ節生検を行い,胃癌のVirchow転移と診断された.術後S-1(80mg/day,4週投薬2週休薬)経口投与による化学療法を開始した.術前および術直後に高値を示した血清CEA値は次第に正常化した.術後5年まで左鎖骨上窩リンパ節を含めPR~SDを維持できたが,傍大動脈リンパ節転移をきたしたため2010年4月よりS-1+CDDP,2011年1月よりS-1+DOCに変更するもPDとなり,現在再度S-1単独投与を行っており術後8年生存中である.Virchow転移を伴う進行胃癌の長期生存例の報告は少なく,文献的考察を加えて報告する.

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© 2012 日本外科系連合学会
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